Martin Audio MLAがRock in Japanで
新しいサウンドデザインのアプローチを採用

元記事:ProSoundWeb、日本語訳:MSI JAPAN 2022.10.21

サウンドプロバイダーであるMSI Japanは、フェスティバルを行う新たな会場での騒音問題を考慮し、2つのメインステージにMLAアレイに加えてMLXサブウーファーを組み合わせた分散型システムアプローチを採用しました。

国内最大級の音楽フェスティバルであるRock in Japanは今年、新型コロナウイルスパンデミックによる空白期間から復活し、5日間の都市型イベントとして、新会場となる千葉県海沿いのリゾート地、蘇我スポーツ公園にて実施されました。
2つのメインステージにはサウンドシステムを担当するMSI Japanによって、サポートコンポーネントを含むマーチンオーディオ社製品MLAを中心としたSRシステムが設置されました。

蘇我スポーツ公園は大音量のロックライブを行うには理想的とは言えない立地で、住宅地に近く、多くのショッピングエリアもあるため、運営・宣伝側にとって開催場所の変更は大きな懸念材料でした。
しかも、この場所でフェスティバルを開催するのは初めてのことでした。

「これまでとは全く異なるアプローチを取る必要がありました」
MSI Japanの代表の藤井修三氏は語ります。
「これまではMLAスピーカーのアレイを使用してどれだけ遠くまで音を届けられるかという事を重視していましたが、今回は逆の発想が必要でした」

システムテックを務める、MSI Japan下久保智也氏がデザインを担当するにあたり、ディレイタワーを複数設置して分散型のサウンドシステムを構築するという、これまでにないアプローチを考案しました。
MSIは、日本のフェスティバルの歴史において分散型のアプローチは前例がなく、プロモーターにとってもMSIのクルーにとっても「発見の旅」であったと述べています。

「プロモーターは、過去10年間MLAを指定していただいている我々のクライアントです」
とチーフエンジニアも担当した藤井修三氏は語ります。
「この難題をMLAなら克服してくれるという確信が皆にあったのです」

2つのメインステージには、フロントに片側8本のMLAを設置し、18台のMLXサブウーファーはカーディオイドパターンで設置されました。
サブウーファーは中央の1つを前後逆にして、3段3列でスタックしたものをステージ両サイドに設置しました。
それに加えてMLA7本からなるディレイタワーが4ヶ所設置されました。
(トータルで8ヶ所のディレイタワーになります)

2つのメインステージには、フロントに片側8本のMLAを設置し、18台のMLXサブウーファーはカーディオイドパターンで設置されました。
サブウーファーは中央の1つを前後逆にして、3段3列でスタックしたものをステージ両サイドに設置しました。
それに加えてMLA7本からなるディレイタワーが4ヶ所設置されました。
(トータルで8ヶ所のディレイタワーになります)

ディレイタワーは左右対称に設置され、両側をカバーするのが一般的です。
しかし今回は近隣の住宅街への音漏れを抑える為、片側にのみ設置されました。
その結果は驚くべきものでした。FOHのミックスポジションを始めサウンドレベルに差がなく、会場全体に十分なパワーが行き渡り、要求されたSPLと音質を満たすことができました。

「結果として、独自の分散型のシステムデザインだけでなく、MLAシステムのコントロール性の高さもあって、大成功を収めることができました。改めてこのスピーカーの素晴らしさを実感する事ができました」
と、藤井修三氏は締めくくりました。

翻訳元記事

Martin Audio MLA Deployed In New Sound Design Approach At Rock In Japan
by ProSoundWeb

※翻訳記事は元サイト様に許可を得て翻訳しています。

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